こんにちは、まっくす(@maximum_80)です。
SmartHRの宮田社長がこの度ご退任されるというエントリーを拝見しました。
会社を立ち上げて想像もつかない変化がある中で、いろいろな背景や事情はあるのでしょうが、上場直前のユニコーン企業の社長を退任する、というそもそもの意思決定がまず凄まじいと感じました。
そこに書かれている内容がとても魅力的だったので、是非ご一読いただければと思います。
特に自分の中で一番印象的だったのが、記事内に書かれている
変化に適応し続ける奴が一番強い
という言葉。 これはまさに自分自身も感じていることで、コロナ禍、見通しが読めない不確実なこの世の中において本当に重要なスタンスであると思います。
「変化に適応し続ける奴が一番強い」
— まっくすさん(新田章太) / Givery取締役 / 人事管掌役員 / エンジニア採用育成支援 (@maximum_80) 2021年12月8日
本当にこれはそう思う。
細かな背景はわからないけど、個人の感情ではなくプロダクトや事業の未来を見据えて意思決定をする経営者としての姿勢を見習うべきだと感じたし、尊敬する。
SmartHR の社長を退任します - 宮田昇始のブログ https://t.co/OpyrOkk3o2
私自身、会社経営や事業推進をしていく中で、変化に常に柔軟であるために具体的に何を心がけるべきか、重要だなと感じていることを、折角なのでこの機会に考えて、自戒の念も込めてまとめてみようと思います。
「未知なるもの」に常に好奇心を持つこと
テクノロジーは日進月歩で、私も社会人となって10年近くが経ちますが、10年前には想像もつかないソリューションやテクノロジーが身近に存在します。
クラウド、AI、ブロックチェーン、そして今年を象徴するバズワードとして「メタバース」という言葉があります。
10年前にはこれらの言葉は今ほど浸透してなかったのではないかと感じますが、今ではたくさんのスタートアップをはじめとした企業がこれらのテクノロジーを事業化しようと取り組んでいます。
これらの未知なるものが登場した時に、自己防衛本能からなのか、どうしても私自身、自分達のビジネスの根幹を揺るがす「驚異」に感じてしまうことがあります。
ドラマとかでよくある現代から江戸時代にタイムリープした主人公を、周囲が敵と感じてしまうような感覚です。笑
ですが、新しいものはこれまでの手段では解決することができなかったものまで解決してくれる「可能性」を秘めています。
自分にとって「未知」なものは怖く感じてしまうこの感覚を、いかに「好奇心」に変えて自分のものに変えることが重要なのではないかと思います。
過去の成功体験や経験に固執しないこと
先ほどの好奇心にも重なる部分が多くありますが、この未知なるものへの好奇心を阻害する大きな敵は「過去の自分の成功体験」なのではないかと感じています。
- 今までこの方法でうまくいっていたから問題はない
- そんな新しいものでは、今までできていたことができなくなるじゃないか
というような現状維持の視点や発想は、変化に対して大きな障壁になりえます。
例えば今や日本でも90%を超えるといわれる驚異の普及率であるスマートフォンも、リリース当初は2chで「赤外線使えないじゃん」「携帯用のサイトが見れないじゃん」「お財布ケータイ使えないじゃん」とガラケーと比較してバッシバシに否定されていました。
ですが今では、Bluetoothを用いたデータ通信、PCと変わらないWebブラウジング、QRやNFCを利用したモバイル決済など、どれをとっても当時よりも便利なものを人々が当たり前に使っている時代となっています。
自分が知らないものよりも自分が知っているものの方が役に立つ、と感じてしまうのは、自分自身がそれによる一定の効用を得ているからであって、まだ体験したことのない自分が知らない価値と比較をしてしまうと、機会損失につながってしまうのではないかと思います。
「こと」に向き合うこと
新しいものを受け入れる、変化に適応する阻害要因の大半は、前述してきたような自己防衛本能や、嫉妬心などの個人の感情的な部分に起因しているのではないかと思います。
結局のところ、人はどうしても客観的な理論や合理よりも、自分の経験から物事の良し悪しを判断しがちです。これは「経験主義」という言葉にもありますが、自分の経験や視点だけの限定的合理性で物事の良し悪しを判断してしまうというものです。
だからこそ、この経験主義を否定せずに、新しいものに柔軟に取り入れるだめに、デザイン思考やアジャイルの思想があるのかなと思っています。
新しいものの可能性、逆に発生するリスクや現状の手段と代替した場合のトレードオフ。
これらを素早く小さく検証を重ねていくことで、経験やファクト(事実)に変えていき、本当に価値があるのかどうかを判断していく。
常にフラットに、感情に囚われず客観的、俯瞰的に物事を捉えて、良し悪しを判断をする視点を持つには、理論を実体験に変えて自分の中での合理性を広げて判断をする姿勢や取り組みが求められるのではないかと思います。
素早い意思決定と正解に変える行動力
宮田さんのブログの中でも
迷ったときはいつでも「どの選択肢が正解かはわからないが、選んだほうを正解にする実行力こそが大事」だと思って経営してきました。
という言及がありました。
誰も何が正解かはわからない中で、どちらが良いかを考えることに時間をかけることよりも、「決めたもの・判断や経験を正解に変えるために走り続けること」に時間を費やすことに価値があると思っています。
スティーブジョブスがスタンフォード大学での伝説のスピーチと呼ばれる演説で有名な「Connecting the dots」にも近い視点です。
you can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.
スティーブ・ジョブズ 伝説の卒業式スピーチ(日本語字幕) - YouTube
今やっていることや取り組んでいることが未来に必要とされるのかどうかはわからないですが、行動をしていく中で見えてくるだろうと信じて走っていくことで過去の選択や経験を正解に変えることができるのではないかと思います。
最後に
私自身も10年の社会人経験を振り返ると、年齢を重ねていき自分の中での経験・成功の体験が増えれば増えるほど、これらの視点を大事にするのが難しくなってくるのではないかと感じます。
しかしその結果、気づいた時には老害として周囲から扱われてしまうかもしれません。
常に「自分がまだ知らない」ことを認識し、興味関心を持ち、アンラーニングしていく気持ちを忘れないよう心がけていきたいと思います。
自分もいつか「この環境の変化に適応できていないな」と感じる瞬間が訪れるのでしょうか。もう少し抗ってみたいと思います。