こんにちは。まっくす(@maximum_80)です。
先日、ふとデータ分析している時に気になって調べてみたところ、 当社で展開しているtrack
の直近の年間受験者数1が、ITパスポートや基本情報技術者試験を上回っていることに気づいたので、記念ブログを書きました🎉
IT業界への入門となる国家試験・ITパスポート・基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは
改めて調べてみたところ、基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、情報処理の促進に関する法律に基づいて実施している「情報処理技術者試験」のなかの全部で12区分あるうちの一つで、年間で約10万人が受験している、情報処理技術者試験の中でも特に人気の高い試験です。
基本情報技術者試験は、経済産業大臣が行う「国家資格試験」のひとつであり、この試験に合格すると経済産業省により、情報処理技術者として一定以上の技能や能力を持っていると認定されることができます。
ITパスポートとは
情報処理技術者試験の中で最も基礎となるITを利用するものとして必要な知識を問う試験で、こちらも国家試験で認定を得ることができる資格試験です。 国内で初めてCBT(Computer Based Testing)方式を導入した資格試験でもあるそうです。
ITの登竜門としてのITパスポート・基本情報技術者試験
専門学校や大学などで、コンピュータサイエンス・ソフトウェア工学を専攻している学生に対して、修了の証、IT企業への就職のための一つの材料として、ITパスポートや基本情報技術者試験を取得するケースはよく聞きます。
また、IT企業においてもシステムエンジニアとしての研修の修了の証や、内定期間中・就業時の資格取得支援の福利厚生などでも、ITパスポートや基本情報技術者試験を従業員に取得させるケースも多く存在しており、まさにIT業界への入門、エンジニアの入門としての登竜門的な国家試験といっても良いのではないでしょうか。
ITパスポート・基本情報技術者試験の受験者数
ITパスポートや基本情報技術者試験の受験者数はIPAのWebサイトに公開されていました。
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_07toukei/toukei_r03h.pdf
上記の統計データによると、令和元年・令和2年度の受験者数はそれぞれ
年度 | ITパスポート | 基本情報技術者試験 |
---|---|---|
令和元年 | 103,812 | 121,556 |
令和2年 | 131,788 | 52,993 |
となっておりました。 コロナの影響を受けてか、基本情報技術者試験令和2年の受験者数が半減しているものの、どちらも毎年10万人以上が受験している国家試験となっています。 日本のITエンジニアの総人口は広義的に見積もって100万人程度だと仮定すると、毎年およそ10%近くが受験する非常に影響力の高い国家試験です。 (春期と秋期で受験できるそうなので、厳密にユニークな受験者数はわかりませんが。)
trackの年間受験者数がITパスポート・基本情報技術者試験の年間受験者数を上回っていた
毎月trackの総受験数やデータを眺めるのが好きな自分なのですが、ここ半年間はずっと、おかげさまで毎月の単月受験数のレコードを更新し続けていました。 細かいデータを開示することはできないのですが、直近の6月に関しては、プロダクトをリリースして初めて単月の受験総数が2万受験(受験者の重複は考慮せず)を超えていました。
その際に、これってITパスポートや基本情報技術者試験と比較するとどうなのかな?と思って受験者の数の比較をしてみると、 なんと直近のtrackの年間の受験者総数が14万受験を超えており、上記のITパスポートや基本情報技術者試験の年間受験者数を上回っていることが判明しました。 (正確には半年ほど前から超えていたようで、もっと狙って数字をモニタリングしておけばよかった)
国家資格試験は受験者の意志で受けるものに対して、当社のtrack は採用のタイミングで受験者が受動的に受けるものですし、trackはいつでもWebで受けることができる試験のため受験のハードルが低いという点や、海外の受験者も一定以上いるため、一概に比較することは難しいものの、このような国家資格とも肩を並べることができるような規模の受験者数を有する試験サービスとなったことは非常に光栄な限りです。
確かにIT系/ソフトウェアエンジニアとしての就職活動の場において、知名度が上がってきているような実感はある
例えばシンポジウムで出会った大学の先生から「学生が就職活動の際にtrackの試験によくぶちあたっているよ!」と声をかけていただいたり、 先日も千葉工大のキャリア講義をした際にも学生の方から「昨日trackの試験を受けました!」というコメントをもらったりと、情報系の学生がエンジニアとして就職活動をする上では一定の通過儀礼としてtrackに触れる場が増えてきているのではないかと感じています。
数字で考えてみても、厳密な計算ではないですが、例えば総受験のうちの50%が学生による受験だった場合、7万人が触れている計算となり、国内の情報系学生の1学年の数が1万人程度、理系で15万人程度ですので、一定のシェアがあるのではないかと予測できます。
「スキル」を測るtrackの試験をエンジニアの登竜門にして、テクノロジースキルを日本企業の経営資源に変えていきたい
エンジニアに求められるのは「知識」だけではなく「スキル」
trackのコンセプトとしては、いわゆる選択式によるチェックテストだけではなく、実際に画面上のエディタでプログラミングをすることで、与えられている要件を満たすプログラムを実装する、アルゴリズムを解く、といったプログラミングの基礎力を測るようなものから、データベースを操作する、WebUIを作る、サーバを組む、などの実践的なスキルを測る問題を多く揃えるようにしているのがユニークなポイントになっています。
理由としてはエンジニアとしての市場価値としては、知っているかだけではなく、実際に手を動かすして課題を解決することできるかが重要であり、それがエンジニアリングだと考えているからです。
幹となる技術基礎力は、どんな技術進化にも柔軟に対応できる
どうしてそのようなコンセプトを貫いているか、ということなんですが主に
- エンジニアの仕事においては、知っていることは重要だが、調べず即答できることは重要ではないため、知識は都度検索すれば解決できる
- 技術が変化したときに、根本となる基礎がわかっていれば、ある程度すぐに使いこなすことができる、未来を予測できる
という点にあるのかな、と思っています。
コンピュータやネットワークのスペックの進化に付随して、今やソフトウェア開発技術もどんどん新しい技術が生み出されては廃れてを繰り返していますから、このような進化に対応するには、表面的な知識だけではなく、共通する基礎力があるかどうかというのが非常に重要になってくるのではないかと考えています。
企業の人材戦略として「スキル」に投資をする文化を
企業の人材戦略において、この時代変化・技術進化に真に必要な「スキル」に目を向けてもらえるように、これからもtrackを広げていきたいと考えています。
クラウド・仮想化・モバイル・IoT・AIなどなど、時代を彩る新たな技術やトレンドがどんどん出てくる中で、企業として目の前の業務知識を身につけるための取り組みだけではなく、エンジニアリングへの投資、すなわち中長期的な技術進化を見据えて、人材の基礎スキル向上に投資をするような取り組みを支援するきっかけとしてtrackをご利用いただけるようにしていきたいです。
そのような企業の人材戦略を実現する上で、trackの試験がより多くの企業の方々、ソフトウェアエンジニアを志す方々にとって、有意義なものになるように、今後も尽力していきたいと思います。
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trackに登録されているユニークな受験者のIDの1年間の総数。海外の受験者も含む。↩